2025年の台湾百貨業界は、大きな順位変動が見られた1年でした。
個別店舗ベースでは台北101が売上首位となり、長年トップ級だった台中新光三越は事故による長期休業の影響で順位を落としました。一方で、グループベースでは新光三越がなお首位を維持しており、店舗単位とグループ単位で見え方が異なるのが2025年の特徴です。
また、台湾の百貨・商業施設市場では、従来型百貨がやや伸び悩む一方で、LaLaportやOutletを含むショッピングセンター型施設の成長が目立った年でもありました。特に三井不動産グループは、南港LaLaportの寄与もあって存在感を大きく高めています。
■2025年 台湾百貨グループランキング
※金額は新台幣ベース、括弧内は1NTD=5円換算
※微風集団は一部報道で「約350億元」とされており、概算値です。
| 順位 | グループ名 | 売上高(NTD) | 日本円換算 |
|---|---|---|---|
| 1 | 新光三越 | 827億元 | 約4,135億円 |
| 2 | 遠東百貨 | 604億元 | 約3,020億円 |
| 3 | 遠東SOGO | 491億元 | 約2,455億円 |
| 4 | 三井グループ | 381億元 | 約1,905億円 |
| 5 | 微風集団(推定) | 約350億元 | 約1,750億円 |
※工商時報記事参照: https://www.ctee.com.tw/news/20260117700103-439901
2025年のグループ首位は新光三越の827億元(約4,135億円)でした。もっとも、台中中港店の爆発事故による長期休業の影響で、前年からは大きく減収しています。
一方、遠東百貨は604億元(約3,020億円)で堅調に増加、遠東SOGOは491億元(約2,455億円)でほぼ横ばい。そして最も注目されたのが、三井グループの381億元(約1,905億円)で、前年から大きく伸びて微風を上回り、台湾百貨グループ4位に浮上しました。
■2025年 台湾の主要百貨・商業施設 売上トップ10
※こちらは個別店舗・施設ベースの順位です。
| 順位 | 施設名 | 売上高(NTD) | 日本円換算 |
|---|---|---|---|
| 1 | 台北101購物中心 | 240億元 | 約1,200億円 |
| 2 | 台中大遠百 | 223.7億元 | 約1,118.5億円 |
| 3 | 漢神巨蛋 | 185億元 | 約925億円 |
| 4 | SOGO復興館 | 181.6億元 | 約908億円 |
| 5 | 新竹巨城 | 180.4億元 | 約902億円 |
| 6 | 新光三越 台南西門店 | 178億元 | 約890億円 |
| 7 | 夢時代購物中心 | 174億元 | 約870億円 |
| 8 | 新光三越 台中中港店 | 132.4億元 | 約662億円 |
| 9 | 板橋大遠百 | 128億元 | 約640億円 |
| 10 | 華泰名品城Outlet | 125億元 | 約625億円 |
過去の百貨店ランキング:https://shipeee.com/blogs/blog/2022departmentstoreranking
2025年は台北101が240億元(約1,200億円)でトップとなり、台湾の“店王”が入れ替わりました。
2位は台中大遠百、3位は高雄の漢神巨蛋で、南部勢の存在感も高まっています。新光三越台中中港店は、2024年まではトップ級の常連でしたが、2025年は長期休業の影響で8位まで後退しました。
2025年の台湾百貨市場を一言でまとめると、「従来型百貨の苦戦」と「体験型・滞在型施設の伸長」です。
業界集計では、ショッピングセンター型施設全体は成長した一方、従来型百貨の合計はやや弱含みでした。背景には、精品市場の鈍化、化粧品売上の減速、海外旅行需要の回復に伴う消費分散などが指摘されています。
特に2025年は、「買い物の場」から「過ごす場」への転換がより鮮明になった年でもありました。
各社ともレストラン、エンターテインメント、親子向け施設、イベントなどを強化しており、単なる物販だけでは集客しにくい状況が続いています。遠見の報道でも、百貨側が来店目的の多様化を重視し、「第三空間」としての役割を強めていることが紹介されています。
また、日本企業の視点で見ると、三井グループの躍進は見逃せません。
OutletとLaLaportの両輪で、平日も週末も集客できる生活密着型の商業モデルが台湾市場で機能しており、“日本式商業施設の台湾適応”が一段と進んだと見ることができます。
日本企業にとっての示唆
台湾進出を検討する日本企業にとって、2025年の百貨ランキングから読み取れるポイントは大きく3つあります。
まず1つ目は、出店先の選定基準が変わってきていることです。
従来の「有名百貨に入る」だけではなく、どの施設がどの客層を、どの時間帯に、どの目的で集めているかを見る必要があります。たとえば101は高級品・富裕層に強く、LaLaportや大型SCはファミリー層・滞在型消費に強い、といった違いがより明確になっています。
2つ目は、物販単独ではなく体験・イベントとの組み合わせが重要になっていることです。
百貨・商場そのものが「滞在時間」を競う時代に入っているため、日本ブランド側もポップアップ、試食、体験会、IPコラボなどを組み合わせた提案が有効になりやすいと考えられます。
3つ目は、台北一極ではなく、台中・高雄の消費力も無視できないという点です。
実際に2025年のトップ10を見ると、台中・高雄の施設が上位に複数入っており、南部・中部の有力商圏を含めた戦略設計が必要です。
まとめ
2025年の台湾百貨市場は、表面的には「順位の入れ替わり」ですが、実態としてはそれ以上に、台湾の商業施設が“モノを売る場”から“時間を使ってもらう場”へ移行していることを示した1年だったと言えます。
- グループ首位は新光三越(827億元/約4,135億円)
- 個別施設首位は台北101(240億元/約1,200億円)
- 最大の伸びしろを見せた存在は三井グループ(381億元/約1,905億円)
台湾での販路開拓や百貨出店を考える際は、単純な知名度だけでなく、施設の業態、客層、滞在性、イベント性まで見ながら戦略を組むことが、これまで以上に重要になってきそうです。
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