シンガポールを拠点とするコーヒーブランド「FLASH COFFEE」は2023年3月31日をもって事業を終了すると発表しました。
アジアのすべての主要都市で 500 メートルごとにFLASH COFFEFEの店舗を見かける「アジア最大のコーヒー チェーン店」を目指し2020年に設立、2021年に台湾に進出しました。
台湾に進出した当初は、2021年に30店舗、2022年に50店舗を出店し、Grab-and-Goモデル(オンライン注文・キャッシュレス決済)を採用し、店舗面積を一般的なコーヒーショップの1/3~1/5にして、家賃や運営費を節約すると発表していました。
しかし、台湾での開発開始から半年後、17店舗のオープンと期待と大きくずれがありました。そして今回、2年弱の営業を経て、台湾からの撤退を発表しました。
ある専門家の分析によると台湾のコーヒー市場の競争は激しく、「激安、フード、空間センス、この3つのうち少なくとも1つはないと生き残れない」といいます。専門家が予測した撤退理由を記載します。
撤退理由1:フードメニューやこだわったフレーバーコーヒーが台湾にマッチしていない
FLASH COFFEEが台湾に進出した際、パームシュガーラテやタイミルクティーといった東南アジアを意識した商品をラインナップに加え、ブランドの個性をアピールするということがメディアのインタビューに記載されていましたが、あるコーヒーチェーン店のシニアマネージャーによると、台湾のコーヒー市場では、特別なフレーバーにこだわり、売り上げを維持するのは困難で、
また、フードメニューについても、軽食が数種類提供されているだけでは、台湾での飲食需要に応えることが難しいとの見解を示しました。
撤退理由2:テイクアウトやデリバリー市場が中心で、「第3の空間」を切り開けない
STARBUCKS COFFEEやLOUISA COFFEE、Ikari Coffee等のように、テイクアウトだけでなく、温かみのある空間を提供する他のコーヒーショップチェーン店に比べると、テイクアウトやデリバリー市場に特化したFLASH COFFEEはコーヒーショップをリラックスしておしゃべりをする空間として使う台湾人の市場需要を取り込むことができない。
理由3:店舗展開のペースが遅く、集客に至らず、市場攻略ができていない
FLASH COFFEEは、ベンチャーキャピタルのRocket internetの支援を受け、「ラッキンコーヒー」モデルに従うことにしました。
つまり、初期段階では多額の資金を投入して幅広く店舗を展開し、赤字となっても市場シェアと固定消費者を獲得し、その後、収益構造を調整するというものでしたが、FLASH COFFEE は台湾での目標達成率が 25% を切った時点でストップし、最初の段階から市場規模をつかむことができませんでした。
台湾でのクローズは、必ずしもブランドの失敗を意味するものではなく、台湾市場では十分に資金を回収できないことを証明したに過ぎません。台湾以外でどのように進出、ブランディングするか動向を追いたいと思います。
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