台湾のお米の消費量減少がもたらす食料自給率への影響

2020年の農業統計資料の年次報告書で台湾の食料自給率は31.7%まで低下したと発表されました。お米の個人年間消費量は44.1キログラムと史上最低レベルまで落ち込みました。一方で、肉の年間消費量は過去最高の86.5kgに達し、米と小麦粉を合わせた82.2 kgをはるかに上回り、「主食」のポジションが正式に「肉」に取って代えられることになりました。ちなみに日本の食料自給率は同年(2020年)で37%となっています。(農水HP引用:https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html

台湾農業委員会は、お米の消費量が減少した主な理由は、コロナ禍でレストラン需要が減り、外食向けの米の消費量が減少したためと分析しています。たしかにコロナ禍で自炊率は増加したものの自炊によるお米の消費量は外食向けのお米の消費量を補う程とまではいかず、持ち運びや調理が簡単な小麦が好まれる傾向となりました。また昨年は台中を中心とした干ばつもありお米の生産量の減少にも影響しています。小麦は前述の理由や食生活の変化もあり、消費量は年々微増し続けています。
農糧署は、お米の消費拡大に力を入れた取り組みの一例として、「チャーハン王決定戦」などのイベントを行うなどし、お米の消費拡大に努めています。日本の米加工品を輸出する身としては、日本からのお米関連商材(冷凍食品等加工品・白米等)の台湾への輸出は、更に厳しくなっていくものと感じてしまいました。このあたりは過去記事にも書きましたが、台湾CPTPP加盟にも大いに影響する部分だと思います。過去記事:CPTTPが台湾にもたらす影響 https://shipeee.com/blogs/blog/1029

小麦粉だけでなく肉もまたお米の消費量を低減させる原因となっています。前述の通り、台湾人の年間の肉摂取量は、一人当たり86.5kgに達し、過去最高となりました。農業委員会は、肉の消費量の増加理由は、食生活の欧米化に起因していると分析しています。加えて、近年の糖質制限ブームなども拍車をかける原因となっているとのことです。
肉製品の生産量と輸出入データを詳しく見ると、台湾での鶏肉に対する需要は増え続けており、家禽類の生産量は24,000tに増加し、輸入量も45,000tに増加しました。 豚肉の生産量では25,000t増加しましたが、輸入量は43,000tに減少しました。豚肉輸入量減少の理由として、コロナの際に中国が大量の豚肉を海外から調達した結果、国際的な豚肉価格
が上昇したため、台湾では止むを得ず、調達量を制限することとなりました。台湾での牛肉自給率は、相変わらず低いままですので、日本の牛肉にも商機があると感じます。アメリカ・オーストラリアとは違う戦略で勝ち筋を見つけたいですね。

台湾で自給できていたお米の消費量が徐々に減り、輸入に頼らざるを得ない肉の消費が増え続けることが今後も予想されており、台湾の食糧自給率は下がり続けることが確定している状況です。

麺類が大好きな台湾の小麦需要は横ばいで推移していますが、ここへ来て小麦価格の上昇もあり、日本同様米粉や国産米の消費促進させるまたとないチャンスのようです。台湾農糧署のお米促進キャンペーンが続くこととなりそうですね。

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